趣味を商売にする始め方|初心者のつまずきを“売れる種”に変える方法
好きなことはある。でも、何を売ればいいのか分からない。
そんなときは、「売るもの」を探すのをいったんやめて、初心者だった頃の自分が、どこでつまずいたかを思い出してみてください。
その中に、小さな商売の種が見つかることがあります。
この記事では、つまずきを思い出すための質問と、それを「種になりそうか」見分ける目安を紹介します。
具体的な例や、書き出しが止まったときのヒント、よくある質問も入れました。
読み終わるころには、今日の10分で最初の1歩を踏み出せる形にしてあります。
趣味を商売にするとき、なぜ「初心者だった頃」を思い出すのか
理由は3つあります。
慣れると、つまずきは見えなくなる。
続けているうちに、最初に困ったことは当たり前になって、忘れてしまいます。
今、始めたばかりの人も、同じところで困っているかもしれない。
あなたが越えた壁の前に、いま立っている人がいます。
自分のつまずきが、いちばん具体的に語れる。
何に迷って、何に時間がかかって、何でお金を使ってしまったのか。当時の気持ちまで思い出せます。
「専門家になってから」「上級者になってから」でなくて大丈夫です。
少し先を歩いているだけで、後ろの人の役に立てることがあります。
もうひとつ、大事なことがあります。
商売の種は、「自分が得意なこと」より、「自分が困ったこと」の中に見つかりやすいということです。
得意なことは、すでに身についているので、人にどこが難しいのかを説明するのが逆に難しくなります。
一方、困ったことは、当時の感覚がまだ残っているので、具体的に言葉にできます。
趣味を商売にするときのつまずき7つの型
思い出すときは、次の7つに分けると整理しやすくなります。
| 型 | どんなつまずきか | 例(趣味いろいろ) |
|---|---|---|
| 分からない | 始め方・設定・使い方が分からない | 道具の名前も、使い方も分からなかった |
| 選べない | 種類が多くて選べない | 初心者向けが、どれなのか分からなかった |
| 面倒 | 繰り返しの作業が面倒 | 毎回同じ準備に時間がかかる |
| 不安 | 失敗や、買ったあとが不安 | 買っても使いこなせるか心配だった |
| うまくできない | 自力ではうまくいかない | 本のとおりにやっても、うまくいかなかった |
| もっと楽しみたい | もっと便利・快適にしたい | 今のやり方に、少し物足りなさがあった |
| 欲しいものがない | 既存のものが、用途に合わない | ちょうどいいものが、見つからなかった |
※表の例は、どの趣味にも当てはまりやすい書き方にした一般的な例です。
初心者のつまずきを思い出す5つの質問
次の質問に、1つずつ答えてみてください。完璧な答えは要りません。
思いついたことを、1行で書き出します。
5つの質問
- 始めたとき、最初に調べたことは何でしたか?
- 買って後悔したもの、買わなくてよかったものは何ですか?
- どこで手が止まりましたか? そのとき、どう乗り越えましたか?
- 誰かに聞きたかったのに、聞けなかったことはありますか?
- 今の自分が、始めたばかりの自分に1つだけ教えるなら、何ですか?
質問2の「買って後悔したもの」は、特に種になりやすい部分です。
選ぶ基準が分からなかった、という「選べない」のつまずきにつながっていることが多いからです。
質問4の「聞けなかったこと」も、見逃せません。
聞けなかったのは、質問するほどのことではないと思ったか、誰に聞けばいいか分からなかったからです。
同じ気持ちの人は、検索して答えを探しています。
小商いを始めて、私が実際につまずいたこと
私も、始めたばかりのころは、たくさんつまずきました。
思い出せる範囲で、型ごとに書いてみます。
選べない:どこで売るか、迷った
いろいろなネットショップがある中で、販売する場所は迷いました。
BASEで売るのが初めてで、今もBASEを使っています。
理由は、そもそも、フリマアプリでは売れない商品だったことが大きいです。
それに加えて、BASEの方が、お客さんのファン化につながりやすかったからです。
不安:クレームが来るのが怖かった
一番不安だったのは、やっぱりクレームです。
最初は、自分の扱っている商品に自信がなかったので、どんなクレームが来るのかが、すごく不安でした。
分からない:何が売れるのか、売るまで分からなかった
実際に売り始めるまでは、どんな商品が売れるのか、分かりませんでした。
売れてから初めて、「この商品で正解だったんだ」と分かりました。
だから、まずは商品を作って、売ってみることが大事だと思っています。
最初に売れたのは、3か月後だった
最初に売れたのは、販売を始めてから3か月ぐらいだったと思います。
そのときの気持ちは、嬉しいの一言です。
自分が作った商品が売れたときの嬉しさは、本当に格別でした。
失敗:固定費を上げすぎた
一番高くついたのは、固定費を上げすぎたことです。
固定費は、少なければ少ないほどいいです。
もし増やすなら、来月すぐに解約できるものだけに絞る方がいいです。
たとえば、店舗を借りてしまうと、来月すぐに解約するのは難しいので、そういう固定費の使い方は、絶対にやめた方がいいです。
これから売る人に、いちばん伝えたいこと
なるべく、小さく始めることです。
目安は、初期費用を数万円までに抑えて、始めてみることをおすすめします。
書き出してみると、私のつまずきも、「選べない」「不安」「分からない」、そして「失敗」に分けられました。
どれも、これから始める人が、同じように悩みそうなことです。
ここで触れた、販売場所の選び方や、固定費と初期費用の目安は、別の記事でくわしく書きます。
つまずきの型別|商品・サービスの種になりやすい例
7つの型は、そのまま「どんな形の解決が合いそうか」のヒントにもなります。
決めつける必要はありませんが、考えるときの目安にしてください。
分からない → 入門ガイドや手順書。
始め方を順番に並べるだけで、助かる人がいます。
選べない → 選び方のガイドや比較。
何を基準に選べばいいかが分かるだけで、迷いが減ります。
面倒 → テンプレートや道具、代わりにやるサービス。
手間を減らせるものは、小さくても価値になります。
不安 → チェックリストや失敗例のまとめ。
先に失敗を知っておけることが、安心につながります。
うまくできない → コツの解説や、相談に乗ること。
本に書いていない、つまずきどころを伝えます。
もっと楽しみたい → 工夫や、足して使えるアイテム。
今のやり方に少し足すだけで、楽しさが変わることがあります。
欲しいものがない → 自分で作る、特別に作る。
ちょうどいいものがなければ、自分の用途に合わせて形にします。
ひとつのつまずきが、複数の型にまたがることもあります。
そのときは、いちばん近いものを選べば大丈夫です。
つまずきの書き出し方|1つの趣味で10個が目安
やり方は簡単です。
- 好きなことを1つ選ぶ
- 5つの質問に答えながら、つまずきを1行ずつ書き出す(目安は10個)
- それぞれに、7つの型のラベル(分からない・選べない…)を付ける
数を出すことを優先して、「こんなこと、誰の役にも立たない」と思っても、削らないでください。選ぶのは、次の段階です。
書き出しが止まったときの3つのヒント
5つの質問に答えようとして、手が止まることもあります。
そんなときは、次の3つを試してみてください。
昔の自分の検索履歴や購入履歴を見る。
始めたころに何を調べて、何を買ったかが、そのまま残っています。「これ、なぜ買ったんだっけ」と思うものがあれば、つまずきのヒントです。
初心者の友人や家族に、聞かれたことを思い出す。
「それってどうやるの?」「どれを買えばいいの?」と聞かれたことは、初心者がつまずく場所そのものです。
昔のメモや日記、SNSの投稿を読み返す。
始めたころの自分の言葉に、「分からない」「難しい」「うまくいかない」が残っていれば、それが種です。
種になるかどうかを見分ける3つの目安
書き出したつまずきを、次の3つで見てみます。
今も、同じことで困っている人がいそうか
始めたばかりの人は、いつの時代もいます
自分以外の声があるか
検索、SNS、質問サイト、商品のレビューなどに、同じ悩みが書かれているか
今ある解決策に、不満や不足があるか
高い、難しい、足りない、使いにくい、など
ここで「絶対に売れる」と決める必要はありません。
目的は、小さく試す価値がありそうかどうかを、見当をつけることです。
確かめ方は、「需要を確かめる」の段階(STEP3)で、順番に進めます。
同じつまずきでも、解決のしかたは4つあります
見つけたつまずきは、すぐに商品にしなくて大丈夫です。
たとえば、「どこで売ればいいか選べない」というつまずきを、4つのしかたで解決するとしたら、次のようになります。
情報で解決する。
初心者向けに、販売場所の選び方を、理由つきで記事やPDFにまとめる。
すでにある良いものを紹介する。
初心者に向いたショップ作成サービスを、選んだ理由といっしょに紹介する。紹介料を受け取る場合は、そのことを必ず明記します。
自分で作る。
売る場所を選ぶためのチェックシートを作る。
自分が直接解決する。
売る前の相談に、1対1で乗る。
いちばん小さく始められるのは、多くの場合、「情報で解決する」です。
お金も在庫も要らず、失敗しても、やり直しがきくからです。
なお、食べ物のように、売るために許可や届け出が必要になることがある分野があります。
商品として売る前に、必ず公式の情報で確認してください。
よくある落とし穴
大きな悩みから探そうとする。
「人生を変える悩み」でなくて大丈夫です。「この道具の選び方が分からなかった」くらいの小さなことが、いちばん具体的です。
「自分だけの悩みだ」と決めつける。
同じことで困った人は、意外と多いものです。確かめる前に、捨てないでください。
すぐに商品にしようとする。
まず、書き出して、型で分けて、3つの目安で見る。商品にするのは、そのあとです。
よくある質問
つまずきが思いつきません。どうすればいいですか?
「ヒント3つ」を試してください。それでも出てこないときは、いま始めたばかりの人が、どんなことを質問しているか、検索やSNSで眺めてみるのがおすすめです。
専門家でないと、意味がありませんか?
意味があります。少し先を歩いているだけで、後ろの人の役に立ちます。専門家は、初心者のつまずきを忘れていることが多く、むしろ初心者に近い人のほうが、分かりやすく伝えられます。
すでに同じことを商売にしている人がいたら、どうしますか?
それは、需要がある証拠でもあります。同じつまずきでも、伝え方、対象、価格、形を変えれば、別の種になります。まずは、その人たちの商品のレビューや不満を読んでみてください。
趣味が複数あります。どれから始めればいいですか?
いちばんつまずきが多く思い出せるものから始めてください。思い出せることは、それだけ具体的に語れるということです。
今日の10分でできること
最後に、今日の10分でできることをまとめます。
STEP 1
好きなことを1つ決める
いちばん長く続けているものでも、いちばん最近始めたものでも、どちらでも大丈夫です。
STEP 2
5つの質問に、1行ずつ答える
書き出すのは、思いついた順で構いません。完璧にしようとしないことが、手を止めないコツです。
STEP 3
7つの型のラベルを付ける
分からない・選べない・面倒・不安・うまくできない・もっと楽しみたい・欲しいものがない。迷ったら、近いものを選べば大丈夫です。
STEP 4
いちばん気になる1つに、丸をつける
次の段階で確かめるのは、この1つだけです。数が多くても、焦る必要はありません。
まとめ
- 慣れる前の、初心者だった頃のつまずきには、商売の種が隠れていることがある
- つまずきは、「分からない・選べない・面倒・不安・うまくできない・もっと楽しみたい・欲しいものがない」の7つの型で整理できる
- 5つの質問で書き出し、「今も困っている人がいそうか」「自分以外の声があるか」「今ある解決策に不満があるか」の3つの目安で見る
- 見つけたつまずきは、情報・紹介・自作・直接の4つのしかたで解決できる。いちばん小さく始められるのは、多くの場合、情報で解決すること
このサイトの全体の流れは、はじめての方へにまとめています。
このあとは、書き出したつまずきが「今も困っている人がいるか」を確かめる段階に進みます。